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数学ガール

数学ガール

数学ガール

  • 作者: 結城 浩
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2007/06/27
  • メディア: 単行本

本書は数学を題材にした読み物である。著者のサイト 第1巻『数学ガール』 で詳しい解説と正誤表が公開されている。数学ガールは2009年9月20日の時点で第3巻までの出版が予定されている(第1、第2巻は既刊。第3巻は2009年10月末の予定)。

主な主人公はミルカさん、テトラちゃん、 「僕」の高校生 3 人。普通の小説のようにストーリーがある。もっとも、数学を題材にした物だけれども。

著者のサイトでは

《理系にとって最強の萌え》をあなたに。

とある。否定はしないけど。目次は次の通り。

  • 第1章 数列とパターン
  • 第2章 数式という名のラブレター
  • 第3章 ωのワルツ
  • 第4章 フィボナッチ数列と母関数
  • 第5章 相加相乗平均の関係
  • 第6章 ミルカさんの隣で
  • 第7章 コンボリューション
  • 第8章 ハーモニック・ナンバー
  • 第9章 テイラー展開とバーゼル問題
  • 第10章 分割数

扱っている内容は、高校生でも分かるものもあるけれど、大学生でも難しいものもあり本格的。小説のようにさらっと流れているけれど、読んだだけで理解できる人に本書は必要ないと思う。本書でも述べられているが、本書に登場する数式を理解するためには、実際に紙に数式を書き、式を展開し、数式の具体例 を列挙するなど「手を動かす」ことが必要だろう。たぶん、1 回読んだくらいでは身につかない。

とは言え、数式の理解は程々に押さえたとしてもそれなりに流れは分かるだろう。たぶん、この本を読むこつは、数式の理解はまずは省略して、最後まで読み、2 回目に読んだときに数式を考えるというのが良さそうだ。でないと、いつまでたっても先に進まない。コンピュータ系の読み物/テキストと同じだ。一通り読んでから、分からなかった部分を読み返すと理解できることもある。

数学に「萌え」を感じる人は良い本なんでしょう。そんな人は「数学セミナー」を購入しているかもしれないけど。

ちなみに、本書の組み版は Latex 2e を用いて著者自身が行っているようだ。やはり数式が絡むと tex にかなうものは今のところ無さそうだ。ある意味 Latex 2e の組み版の一例と言えるかもしれない。 せっかくなので、スタイルファイルが公開されているといいなと思ったけれど、図々しすぎか。

先述の通り、「数学ガール」シリーズには、2009年9月20日の時点で後2冊 続編がある。そちらを読むか否かは微妙なところ。ちなみに、本書はコミックスにもなっている。私はコミックスの方は未読だが新しいエピソードも増えているとのことなので読んでみるのも一興かと。小説のキャラクターの設定に従うとすれば、コミックスの上巻の表紙はミルカさんで、下巻の表紙はテトラちゃんだと思う。

数学ガール 上 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

数学ガール 上 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

  • 作者: 結城 浩
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2008/11/22
  • メディア: コミック
数学ガール 下 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

数学ガール 下 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

  • 作者: 原作/結城浩・作画/日坂水柯
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2009/07/23
  • メディア: コミック

 


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