10年先を読む長期投資 暴落時こそ株を買え (朝日新書 108)
10年先を読む長期投資 暴落時こそ株を買え (朝日新書 108)
- 作者: 澤上 篤人
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2008/04/11
- メディア: 新書
本書は「さわかみ投信」代表取締役社長の澤上氏が長期投資について語った本である。
長期投資とは、「10年先の日本で、社会に貢献していそうな企業を選び、暴落時に株を買い、利益が出るのを待つという投資手法」である。
自ら企業を選び株式を購入することでも、投資信託を購入することでもどちらでも良い。
多くの投資信託は市場平均を上回る収益を上げていないと言われる。長期投資ならばそれが可能なのかは本当のところはわからない。私としてはインデックスファンドで十分であると考えるが、それはあまり触れられていない。
本書のみで株式投資を学ぶのは不可能である。もっと多くの本を読み自分で考えることが必要だと思う。本書では幾つかのファンドオブファンズが紹介されているが、ファンドオブファンズに組み入れている幾つかのファンドは自分でも購入することが出来る。そのようなファンドをわざわざファンドオブファンズで購入する必要は無いと思う。
また、投資信託の複利効果を解説しておきながら、ETF に触れていない点もどうかと思う。例えば 1306 は TOPIX に連動する ETF であるが、信託報酬は 1% 以下である。セゾン投信のインデックスファンドについては解説がある。セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドのことである。確かにこのファンドは信託報酬が低いが...。MSCI コクサイに連動するインデックスファンドと MMF でも良いんじゃないかと思わないこともない。
セゾン投信で運用されているもう一つのファンドである「セゾン資産形成の達人ファンド」は「さわかみファンド」を組み入れている。ここは本書で脚注を入れておかなければならないのではないかと思う(ただし、セゾン資産形成の達人ファンドに関しては本書では触れられてはいない)。
本書で触れている、浪花おふくろ投信、ありがとう投信 は「さわかみファンド」を組み入れている。これについても本書で明示的に記述があった方が良いと思う。間接的に著者自身のファンドを購入しているのだから(これらのファンドが永続的にさわかみファンドを組み入れ続けるという保証はないわけだが)。
結論からすると、本書で述べられていることは、長期投資については有益な本だと思うが、解説不足なところも多々あるので、実際に投資をするためには本書以外の本も良く読んで自分でしっかり考えてお金を使いましょうということだろうか。今後はインフレも進むだろうからね。
閑話休題。
さわかみファンドって、市場平均以上のパフォーマンスを出せるのかなー。出せたら凄いなー。今のところ、私はそこまで求めないけれど。
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